Thursday, December 3, 2009

今日の一言@ニューヨーク: What do I want? Well, I want to get better.


暖冬なのか、ニューヨークは曇っているけど今日も15度で過ごしやすい。
仕事が忙しいのをいいことに、すっかりオフィスにこもる日が続きました。昨日はシトシト雨で、うちから一歩も外にでなかったので、今日は散歩にでかけました。もうクリスマスの飾りがあちこちできれいな季節となりました。昨晩は、ロックフェラーセンターの豪華なクリスマスツリーの点火式がありました。はい、テレビで見ただけです。

うちの近所の街角にも、ツリーの即席販売所があちこちに出没しました。写真の販売所は12月23日まで、ほぼ24時間営業で夜中でもツリーを販売しています。

クリスマスも近く、この一年もまた終わり、私はまた年をとる。。。そんな季節となりました。
先週、ある番組でMarie Ponsotという詩人が最近出した詩集について話をしていました。88歳の彼女は、元気にニューヨークを歩き回り、小さなベランダで植物を育て、「70歳代はよかったけど、80歳代はさらに素敵よ」と微笑みながらいうのです。
そして、Simplesという彼女よぶ詩は、今日の一言の文章2つです。俳句よりも短い、なんとシンプルな。そんなシンプルな心で、前を向いて歩き続けるって、いいなあ。
Well, I also want to get better.

Friday, November 27, 2009

今日の一言@ニューヨーク: This year’s Black Friday starts very early in the morning.


昨日は感謝祭(Thanksgiving Day)で祝日でした。今年は何百万羽の七面鳥がテーブルにのったのでしょうか。ダーリンがいればペンシルバニアの遠縁のお宅に行くのですが、ひとりで車を運転して行くのが面倒なので、私はニューヨークで頑張る日本人の友人ら4人をうちに招いて、お鍋をしました。ちょっと奮発してWagyu(和牛)霜降りで、しゃぶしゃぶを食べた妙な感謝祭となりました。いつものように食事に夢中で写真を撮るのをすっかり忘れ、片付ける前の鍋のショット。。。

感謝祭は11月の第3木曜日。翌日の金曜日からいよいよクリスマス商戦が本格化するのですが、この金曜日をBlack Fridayといいます。一年で一番買い物客がお店に殺到する日だそうで、出血バーゲン品がこの日に合わせてでてきます。開店数時間後には売り切れ、というものが続出とか。私はクリスマス商戦には関係がない生活をしているので、ショッピングには行きません。が、この一週間のCMを見ていると、ディスカウントストアやデパートは金曜日の開店時間が朝4時とか5時。なんと早朝なんでしょう。この数年、どんどん開店時間が早まっているような印象を受けます。

景気不振が続く中、失業率は2桁を超えて消費にブレーキがかかるのか。。。しかし、アメリカ人にはクレジットカードがあるから大丈夫!私の周りにも、月額最低支払い額の20ドル程度だけを払って、残金は雪だるま式にクレジットカード借金地獄になっている人がいますが、それでもお買い物はカードで。。。本当に心配になります。クレジットカードに支えらた消費文化。今年のBlack Fridayは開店時間延長もあってまた消費は勝手に伸びるかもしれません。

Sunday, November 22, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Come to think about it…






考えてみれば、もう11月も後半に向かいThanksgiving(感謝祭)が終われば、もうすぐクリスマス。2009年もまたさようなら。この1年も本当に早かったです。時々、年頭の「今年の目標」を取り出して眺めるのですが、あ~あ、ため息ばかりです。来年への延長戦項目ばかり。

昨晩、インド人女性Aさんとアメリカ人男性Gさんご夫婦によるディナーパーティーにお邪魔して、本場のカレーをご馳走になりました。彼らは隔月くらいでご自宅に15名くらいの仲間を招待して、カレー料理ディナーパーティーを行っています。私は友人に連れられて、この春くらいから参加してます。AさんもGさんもライターなので、ゲストの多くは海外メディア向けに記事を書くライターです。アメリカのニュースのとらえ方も関心事もそれぞれのお国事情があったりして、いつも会話に啓発されます。

昨晩は国民健康保険法案の上院での審議上程を決める投票があったため、CNNをつけて賛成60票がとれた瞬間を目撃。みんなワイワイガヤガヤと賛否両論を口々にしてましたが、この法案が法制化の運びとなっても米国国籍を持たないと恩恵はないので、ちょっと考えて見ましょう。このパーティーのゲスト半分には関係ない話だわ、となんだかむなしい気分でした。
 
写真:
Aさんはデリー出身、菜食主義者なのでカレーの種類は野菜系中心です。彼女のオクラカレーは美味です。ゲストのために鶏肉カレーもいつも用意してくれます。
話は戻って11月18日はBeaujolais Nouveau、お手頃ワインでも悪くないお味。

Sunday, November 15, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Autumn is my favorite season after all.  




結局のところ、私は秋が好きです。東京から戻ってきて一週間ほど経ちましたが、ニューヨークは曇りや雨模様が多くて時差ぼけが悪化しました。それでも、雲がきれる合間にちょこっと外出をして、ほとんど裸になった街頭樹や片づけが終わっていないハロウイーンの飾付けをみると、この街の秋はいいなあ、といつも感じます。

昨日は小雨(と時に大雨)のなか、ユニオンスクエアのグリーンマーケットに行きました。この時期、マーケットでは小菊(mums)がとてもきれいです。淡いオレンジ色やピンク、こんな色があったのね、という驚きもあります。それに1鉢で3ドルと値段も安いのも。季節の終わりなので、たたき売り状態なのかもしれません。

7年ほど前に小菊を2鉢買って、アパートの中で飾っていました。しかし購入後、数週間もするとべったりとアブラムシに覆われてしまい、はじめは戦っていたのですが、泣く泣く捨てた経験があります。それからは、ずっとマーケットで眺めるだけにしています。

Sunday, November 8, 2009

今日の一言@東京: It must be global warming.

10月末から10日ほど東京の実家に戻りました。いつもはお正月の時期に戻るので、この時期に東京に来るのは15年ぶり。11月だというのに、この暖かさは何?という印象です。やはり温暖化に違いない、と思うようなこの一週間でした。

今回は短い滞在で、実家の年老いた両親の様子をチェックするのが目的だったので、外出やアポは最小限としました。特に大きな病気はないものの、認知症が始まった父と足腰の痛みを抱える母の生活は、いつまでなんとかふたりでやってくれるかを祈るしかない状況だと思いました。介護必要までもう一歩のぎりぎりのところまできている、という実感を持ちました。80歳という壁を乗り越えると世界は変わり始めました。

この春、母は地元のケアマネージャーと話をして準備を始めました。父は今、週に2日のデイケアセンターに通いだし、認知症の薬「アリセプト」が効いてきたようで多少持ち直しています。しかし、母もいつまで家事ができるか。掃除などを頼んでも、人を使ったことがない人なので、きちんと指示ができず、また自分でやり直すという性格が問題であり、どうしていいやら。

温暖化のおかけで、暖かい昼下がり、家中を掃除しまくった私でした。
ああ、疲れた。。。これからニューヨークに帰ります。

写真: 実家の小さな庭では、ピンクの小さい花のヒメツルソバ、ガーデンパープルセージ、そしてツワブキが咲いていました。

Saturday, October 24, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Book arts and book-binding skills have survived thus far.




今日はどんよりの冬空に戻り、明日は大雨という予報です。今日は友人とチェルシーでランチをしたあと、ブックアート・センターというところで開催している女性アーティストの作品展示会に行きました。作品はコミックブック(漫画本)のヒーローをテーマとした絵、写真、ビデオなどでした。ここの展示会は、すべて本に関る芸術で、本そのものをアートとしていたり、本の内容や分野などからテーマを選択して創作されたアートです。

ブックアート・センターというところは、古いビルの3階全フロアを占めていますが、展示会スペースはごく一部で、アーティスト用製作スペースが5つくらい分かれてあります。そのひとつが、手作り印刷アートの工房で、そこにあったのが写真のような古い印刷機器とタイプセット用具などでした。

写真右はアルファベットのタイプ型が並んで、その印刷の匂いが染み付いた整理箱は年季がはいっています。中央の2枚の写真の左側は印刷機の一種で、右側はギロチンという名前の紙の切断機だそうです。写真右は、たぶん本の装丁の工程でつかうものではないかと思います。

1930年代の印刷工房に来たような雰囲気でした。これまで生き残った機器や技術、これからもずっと伝承されるといいなあ、と思ってセンターにほんの少額ですが寄付をすることにしました。
ブックアート・センターのHP:
http://www.centerforbookarts.org/

Thursday, October 22, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Five paintings of Vermeer are exhibited at the Metropolitan Museum in New York.




先週は急激に寒くなって暗い冬空でしたが、今週は秋晴れがニューヨークに戻ってきました。今日は23度まで気温が上がり、外に出るのが楽しい日です。

話が先週金曜日の夜にもどりますが、ひさしぶりにメトロポリタン美術館に行きました。金曜と土曜日は夜9時半まで開館してます。入り口の大ロビーの真上、2階部分はレストラン・バーなのですが、そこではクラシック音楽の演奏も6時くらいから始まります。(写真左) 仕事のあと、クラシック音楽を聞きながら一杯やって、好きな絵を少し見て、9時からどこかお洒落なレストランで夕食という金曜日って素敵ではありませんか。

メトロポリタン美術館の入場料は、大人20ドルが推奨価格とされていますが、自分が払いたい金額を寄付すればよいのです。夜だし、1時間ちょっとしかいないのであれば、1ドルだって恥ずかしくはありません。私は5時半に行って8時には出る予定だったので5ドルにしました。

そして、友人との待ち合わせの7時まで、1)Robert Frank写真展と2)Robert Lehmanコレクションをゆっくりと見ました。フランクは1950年代にThe Americansという写真集を発表して注目された写真家で、その写真集を中心に特別展示してます。(来年1月3日まで)

レーマン・コレクションは常設ですが、ここには中世から19世紀までの欧州の絵画や装飾品の傑作が集まっています。リビングルームのようなお部屋もいくつかあってくつろぎ感があります。(写真中央) そうです、ロバート・レーマンは、倒産したあのレーマンブラザーズの創始者の息子で、1960年代に亡くなった際に収集した3000点のアートをメトロポリタン美術館に寄付したのでした。

7時に仕事を終えて駆けつけた友人とは、フェルメール特別展を一緒に見ました。オランダ市立美術館からMilkmaid(牛乳を注ぐ女)が貸し出しされ、メトロポリタン所有のフェルメール作品の4点を合わせて5点が展示されています。この「牛乳を注ぐ女」は1939年世界博で米国に貸し出されて以来、初の米国展示なんだそうです。フェルメール特別展は11月29日まで。

Saturday, October 17, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Get your flu shot at a local pharmacy.


すっかり秋日和、と思っていたら昨日は一日中の寒い雨、今日もどんよりの冬空。うちのビルも暖房がスイッチオンされました。なんだか、今年の冬は厳しいそうだ、と思わせる暗い一日です。
冬の準備といえば、衣替え。。。面倒ですが、この週末に完了。そして来週はインフルエンザ予防注射をしておこう。

今年は初めて、大型薬局チェーンでインフルエンザ予防注射が受けられるという広告を見るようになりました。(写真)
ただ、今年流行しそうな通常インフルエンザ予防注射で、H1N1予防接種は今のところありません。一部報道によると、スーパーのチェーン店でも同様のサービスを始めたそうで、H1N1予防注射も視野にいれているとか。

郊外の薬局チェーンでは、Drive-Throughの窓口で車から腕を出すと、車から降りないでも看護婦さんが注射をしてくれるそうです。ついに、薬局までマクドナルド化です。

私はかかりつけのお医者さんに健康診断も含めて、一緒に予防注射をしてもらいます。

Thursday, October 15, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Car sharing is no longer a foreign idea.




自家用車を持ってないマンハッタン住民の足は、地下鉄、バスといった公共機関とタクシー、それと自転車といったところでしょうか。それに加え、最近、Zip Carという短時間利用専門のカーシェア(レンタル)のビジネスが登場しました。カーシェアプログラムは、スイスに住んでいた頃に利用していたのでコンセプトは知ってましたが、まだまだ欧州のものと思っていたところ、昨年からニューヨークにも同様のビジネスが立ち上がったようです。

Zip Carの場合、入会金が25ドル、年間会費が50ドル。車使用料は1時間、8ドルから大型車だと15ドルくらい。一日利用料は77ドルから。保険もガソリン代も含まれており、基本的には使用料のみというシステムです。ニューヨークのほかにも、サンフランシスコ、アトランタなど30以上の都市で展開しているものです。

マンハッタンの場合には、500メートルくらいの間隔でZip Car置き場があって、インターネット、携帯電話などで在庫車チェック、予約手続きをすれば、すぐに利用できます。

大型家具センターやガーデンセンターなどで買い物をして、荷物が大きく重いときになど便利かな、と思います。配達料金より安ければ、こうゆう手段もありです。ちょっと遠出に小回りがきいて、通常のレンタカーよりお得な時間制です。でも6時間以上借りるなら、レンタカーで一日借りても同じくらいになりそうです。

消費者の足の選択幅が広がるのは、いいことです。高い駐車場料金と保険料を払っていた自家用車所有者がカーシェアリングにのりかえる可能性もあります。自動車の減少は、環境にも悪くないです。自動車会社勤務の長かった私には、車の需要減は淋しいことです。が、車の環境負荷を考えると、カーシェアリングのコンセプトは将来性があると思います。

私は自転車でがんばっています。愛車のFuji自転車(写真右)。1997年に購入したのですが、倒産直前の「東食」がニューヨークで扱っていたブランドで、NYPD(ニューヨーク警察)にも納めていたそうです。

Saturday, October 10, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Do not throw away your old photography books.



先週末の話ですが、10月4日、地下鉄でミッドタウンから10分ほどにあるロングアイランド・シティー(クイーンズ区)のPS 1 Contemporary Art Center美術館に行きました。PS 1は MOMA(現代美術館)の一部で、共通チケットとなっています。ただ、この日はニューヨーク・アート・ブックフェア(芸術関連書籍見本市)の会場となっており、ダーリンと私は見本市をのぞきに行きました。絵画や写真作品など芸術作品の書籍から評論書、さらに芸術家が製作した「本」や本関連の作品が展示、販売されていました。出展者はアート書籍ディーラーやアートギャラリー、芸術家などで、100以上のブースがありました。

そこで見つけたのが、日本の50年代~80年代の写真集の収集と売買を手がけるディーラーのブースでした。森山大道や土門拳、荒木経惟などの写真集が多く、写真のガラスケースには、吉田ルイ子さんのハーレム写真集(1974年)、川内倫子さんのうたたね(2001年)、なども展示されていました。けっこうなお値段で販売されておりました。ルイ子さんと倫子さんの写真集、いくらだったら買いますか?

ちなみに、荒木の東京エレジー(1980年)が1000ドルでした。一方、木村伊兵衛のパリ写真集(1974年)のお値段は25,000ドル、えっと、これって200万円以上です。

ここのディーラーの人の話だと、日本の写真家の技術と視点は優れており、印刷が高質であり、収集家が欧米にいるとのことです。文章が読めなくても写真の訴える力は強し、です。

お宅に日本の50年代~80年代の古い写真集があれば、すぐには捨てないでくださいね。希少価値のあるものだと、高価なアンティークに変身いたします。

(話題は違いますが、PS 1という美術館は、もともと公立学校(PS:Public School)の老朽化した校舎建物を改造したものです。)

Thursday, October 8, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Once upon a time, there were records and videos.


ブロードウエー通り沿いにあるブロックバスター・ビデオ(Blockbuster Video)の店舗の前を通りました。看板がビデオでなく、メディア(Media)に変わっているので、思わず笑ってしまいました。そういえば、映画はずいぶん前からDVDだし、音楽はCD。「メディア」に変更しておけば、ツールの種類が変化してもしばらく対応できるわけです。

昨今の技術と市場変化は、街の風景も変えています。今年はついに、タイムズスクエアとユニオンスクエアにあったバージン店舗が姿を消しました。それに先立ってタワーレコードがなくなっています。バージンのあとには、FOREVER 21という若い女性向けファッション店舗がはいったようです。このお店、原宿とかにあるそうですが、行列ができるくらいの人気だとか。6月に東京の友人とその娘さん(16才)がうちに遊びに来て、ソーホーにあるこのお店で買い物をしまっくてました。一ドル95円だとニューヨークだと激安のようでした。

レコードが姿を消したように、音楽CDや映画DVDの将来は先細りなんでしょう。オンラインでダウンロードは楽だし、これからの主流になるのかなあ、と実感します。CDとDVDだけで充分な私の場合、どんな「メディア」が主流になっても、CDとDVDを使える技術環境だけはうちになんとか残しておきたいと思っています。

Saturday, September 19, 2009

今日の一言@パリ: Why am I attracted to Paris?



すっかり日記をサボっておりますが、先週からパリに来ております。フランス語がろくにできずに仏文科卒業してしまったのですが、今でもパリは世界で2番目に好きな街です。(一番はやはりニューヨーク、3番は東京です!) 何故パリに惹かれるのか、街を歩くだけで幸せな気分になるのは何故か。

建物をみているだけで歴史が語りかけてくるような、そんな雰囲気が好きなのかもしれません。作家や音楽家、芸術家、政治家などが過去に住んだ建物には、何年から誰が住んだかという碑石がつけられています。ぶらぶら歩いているだけで、「え~、このアパートにはワグナーが住んだこともあるのね!」なんて驚きがあります。(写真左)

またルーブル美術館の対岸、セーヌ川に近いマザラン通りのアパートには、シャンポリオンが一時期住んでいました。そうです、ロゼッタ石を用いてヒエログリフ(エジプト象形文字)を解読した考古学者。1826年、ルーブルのエジプト館開設準備のころ、シャンポリオンはその新しいエジプト館長になる予定でルーブルに勤務していたそうです。このアパートからセーヌ川にかかる橋(Pont des Arts)を歩いてルーブルまで、通勤時間10分、ベストロケーションです。

15世紀から20世紀まで、あらゆるジャンルの人物がパリに住んでいました。そして今日でも彼らはこの街で息づいているようです。私はそんな街を歩くと何故か楽しくなってきます。

Sunday, September 6, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Come to New York for creative Sushi, and judge yourself.




今週末はLabor Day Weekendです。この週末になると夏も終わり。今年は7月まで雨模様が多く、8月も意外に涼しい夏でした。冷房をつけたのは、ほんの一週間程度というのも珍しい。
ダーリンが8月半ばすぎ帰ってきたり(またでかけたが)、私の仕事が忙しかったりと、日記を書く時間がなくなってました。

アメリカはやはりカップル社会で、ダーリンが帰ると友達夫婦と食べに行ったり、映画に行ったり、と忙しくなります。久しぶりに創作寿司で有名なガリというお店にも行きました。ニューヨーク発のお鮨屋さんで、数年前に開店した時は予約が入りにくいことでも有名でした。不況の今ではガラガラか、と思いきや、にぎわっておりました。

ネタに思いがけないユニークな組合せをするので、日本人はファンになる人、ならない人、と評価が分かれるかもしれません。例えば、カンパチの上にさっばり系ドレッシングのサラダ、松の実がいくつかこんがりとローストされて混じり、その上にはハス揚げがのる、というもの。または、イクラの海苔巻き、その上にはウズラ玉子半熟とアンコウ肝のムース。(写真中央と右、カメラ焦点が合ってないですね、失礼!) 前菜で注文したお刺身は海老もまあまあ、中トロがけっこういけました。(左) 

ニューヨークにいると、お寿司のシャリの握りがうまい職人さんになかなか巡り合えないですが、ここのオジサンはゴールデンフィンガー!友人が指名する人なので、さすがの腕前。お米の炊き方も味付けも花マルで、ふわっと空気を含んで握られて、ひとつひとつのお米がシャキっと活きてきます。お寿司って、ネタも大事だけど、やはり握る人の腕前で決まると私は思うのです。東京にも姉妹店があるそうです。

Sunday, August 23, 2009

今日の一言@ニューヨーク: What’s the difference between the Liberal Democratic Party and the Democratic Party?


ニューヨークでは衆議院選の在外投票が19日から始まりました。海外では日本よりも2週間早く投票をすることになります。在外選挙をするためには、手続きに時間がかかって面倒なんですが、2年前に私も「在外選挙人」となりました。

英語でみると自民党(Liberal Democratic Party)と民主党(Democratic Party)。英語だけをみると民主主義に自由主義がついて、自民党のほうがリベラルに聞こえます。ご本家アメリカ民主党の左派(下院議長ナンシー・ペローシ議員のような方)は、よく「Liberalすぎる」と批判されているので、Liberal democratと英語だけで聞くとアメリカ民主党左派のイメージが強くて、混乱しそうです。

日本には自民と民主の他にも政党があるけど、このごろのニュースを見ていると日本もいつの間にか2大政党政治になっちゃったのか、と思わずにいられない状況です。1990年からほとんど日本に住んでいない私にはビックリのことです。日本の銀行名と政党名って、合体、合併、それに消滅とかで、いったいどれがなんなの?
ついていけません!

でも今回は日本でもネット献金の仕組みができたり、なんだか時代の流れを感じます。しっかりと日本の新聞をあちこち読んで、日本の将来のための清き一票を投じてまいりました。ニューヨーク領事館も週末返上で大変です。投票にくる人より、お出迎えをしてくださる係りの人が多くて、ああ、日本のサービス過剰。。。懐かしい限りです。

投票の後は、季節もののアプリコットビール(右)を飲みに行きました。Wheat ale (麦ベースのエール)で、アプリコットの甘みがほんのちょっと。左はwheat beer(麦ビール)の一種で、なかなかのアロマが楽しめました。マンハッタンにはマイクロ・ブルワリー(Micro brewery)といわれる小規模ビール製造所がいくつかありますが、ここはユニオンスクエアのそばにあるハートランドビアホールです。

Thursday, August 20, 2009

今日の一言@ニューヨーク: This weekend marked the fortieth anniversary of the Woodstock Festival.

この週末はウッドストック音楽祭の40周年記念で、当時の様子や参加した若者(今は60歳代以上)の話を特集する新聞記事やテレビニュースがあちこちで流れました。ああ、あれはもう40年も前のことなんですね。

とはいっても、私がウッドストックのことを知ったのはもう高校生の頃でした。ウッドストックから10年以上経っていました。ちょうどそのころ、イギリスのロックバンド、The WhoによるTommyというロックミュージカル映画を観て衝撃を受け、Whoのことを調べていてウッドストックという場所で50万人もの若者が集まったロックの大祭典があったことを知りました。そのドキュメンタリー映画も見に行って、またそこで衝撃を受けました。

ジミーヘンドリックスとか、グレートフル・デッドとかも、その時初めて知りました。なんか、私って10年遅く生まれちゃったなあ、なんて思ったものでした。
 
そんなわけで、ウッドストックと聞くと何故か懐かしさがこみ上げてきます。ニューヨーク州北部、のんびりした田舎の風景の中にあるウッドストック。行ったこともないのに、なんだか心のどこかで特別な場所です。

Sunday, August 16, 2009

今日の一言@ニューヨーク: This Ramen was worth $16 and a long wait!


昨晩は友人とアメリカ風ラーメンを食べに行きました。日本のラーメン店もニューヨークにも増えましたが、やはり日本のラーメンは日本で食べたい! ということで、韓国系アメリカ人のセレブシェフ、デービッド・チャン氏のイーストビレッジにあるレストラン、MomoFuku Noodleで話題のMomo Ramenにしました。

ラーメンのように見えますが、ラーメンじゃない、でも非常にオリジナル、非常に美味しいです。面は手打ち、シコシコ感が○。
スープはサッパリ系のしょうゆ味で○。
そしてユニークなのは、ばら肉の角煮とポークBBQの切り身、完璧な半熟のポーチドエッグ(Poached Egg)。メンマと青葱はごく普通。
しかし、全体としては絶妙な味のバランス、まさにアメリカ風ラーメン、採点は◎でした。

ラーメンを注文する際に、ポークBBQに時間がかかるから15分くらい待つ、といわれたのですが、15分の待ち時間の価値ありでした。そして、お値段、16ドル(1600円くらい)というのはラーメンにしては高いですし、このレストランのほかの主菜と比べても高め感がありました。が、こちらも、16ドル出しても食べる価値あり、という判定をあげたいと思います。

日本女性にはお肉の量がちょっと多すぎるようですが、私は全部をぺろっとたいらげました。

Tuesday, August 11, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Discover Japan in New York!




日曜日(9日)はニューヨークで浴衣を着て、「宮城県人会」におじゃましました。画家のSさんが宮城県ご出身で、県人会をソーホーにあるご自宅兼アトリエで開催されました。今回は七夕会で、特別に東北と北海道出身者とその友人も申し込みができて大盛況でありました。

日光から北に行ったこともない江戸っ子の私は、福島県人の友人のゲストとしておじゃましました。私の自宅からソーホーまで600メートルくらい、友人と私は浴衣姿でそぞろ歩き。アメリカ人からYou’re so beautiful!とかCool! なんていわれて恥ずかしかったですが、ちょっと「エヘン!」と日本人であることに嬉しさも。

会場のSさん宅には、きれいな七夕の飾り付け。そして手づくりずんだ餅、ずんだキャラメル、あぶら麩も登場しました。
あぶら麩は、ちょっと厚めのサッパリ系油揚げのようなお味でした。きゅうりとワカメに茗荷入りサラダに刻んで入っていたり、和風スパゲッティーの中に細かく入っていたり、とユニークな使い方をメンバーの方が用意されました。また、お味噌汁に肉、キノコ、野菜などと一緒にあぶら麩も加えて「ちゃんこ鍋」のようにいただく一品も大変美味でした。

宮城の方と話をしたら、ずんだ餅はお盆の時期に食べるのだとか。年中食べるわけではないのですね。福島出身で宮城との県境に近い人は、お母さんがずんだ餅をやはりお盆の時期に作って、親戚と一緒に食べていた、とか。「県境で異文化交流もあるんですわ」との発言に私は思わず大笑い。

私のような「異文化」からのゲストも結構多くて、すぐに暖かい雰囲気の中でいろんな方とお話ができました。同じ日本人なのに、ずんだ餅とあぶら麩の初体験をニューヨークで、という人は私以外にもいました。日本再発見の夕べでした。

Saturday, August 8, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Anyone can be an art collector.

日本人女性の監督デビュー作であるドキュメンタリー映画、「ハーブ&ドロシー」を観ました。

郵便局内勤のおとなしいハーブ・ボーゲルさんと、図書館司書のしっかり物の奥さん、ドロシー・ボーゲルさんは、大のアート好き。1960年代初めに自分たちも油絵を習って抽象画を描いたりしますが、ふたりは同時代の無名アーティストの作品収集を始めます。アーティストの仕事場を訪問し、アーティストと熱っぽく作品について話し合い、自分たちが気に入った作品だけを自分たちが買える予算で手にいれていく、という方法です。

今では現代アートの大御所、チャック・クローズ、フランス人のクリスト夫妻ともその頃に懇意になり、ふたりの収集したアート作品は絵画、インスタレーションを中心に4千点以上となりました。しかも、それを小さなアパートに詰め込んでいたのです。

1992年、アパートはその重みに耐えられなくなり、ふたりはその全てのコレクションをワシントンDCのNational Galleryに寄贈します。時価、何億ドルになるかというコレクションを一枚も売りに出しませんでした。Vogel Collectionとして全てを同美術館で永久に展示、保存されることを選んだのです。

このドキュメンタリー映画は、ハーブとドロシーの暮らしぶり、ふたりのアート収集への情熱、親交の続くアーティストらのインタビューを交えて構成されます。アート収集の資金はどのように蓄えたのか。ドロシーのお給料は家賃と生活費に充てられ、ハーブのお給料は全てがアート収集に使われたのだそうです。そして、作品は「地下鉄で持ち帰ることができること」が条件だったそうです。

1992年、空になったアパートですっきり生活ができるかと思いきや、このふたり、アート収集を再開します。そして今日、同じ小さなアパートは歩く場所もないくらいアートの山。その中でペットのカメ、金魚、猫一匹とふたりは幸せそうに暮らしています。

日本でも公開されるといいですね。
http://www.herbanddorothy.com/

Monday, August 3, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Stone by Stone, the making of a cobble stone road.



今年の夏はニューヨークも異様なお天気が続いています。ずっと涼しくて過ごしやすい7月でしたが、この2週ほどは豪雨、雷雨にしばしば襲われています。

そんな中、うちのご近所では昔ながらの石畳の道の修復工事が大詰めです。ひとつひとつ、石を敷いていく作業です。19世紀から1930年代のマンハッタンの大通りは、石畳の道の上を馬車が走っていたんでしょう。でも、今はすっかりアスファルトが敷かれて、昔の石畳の道はダウンタウンのソーホーとトライベッカの一部に残っているくらいです。長い間、放置されてきて石の状態がよくない、またはアスファルトとのパッチワークとなった道も多くあります。この数年、大掛かりな修復工事の案がでていました。

石を敷いていく作業は、もはやニューヨークには職人がいないそうで、写真のご近所の仕事にはポルトガル出身の職人さんが雇われたそうです。彼らは南米出身労働者らの指導もしながら、石畳を敷いていきました。一日の作業で500平方フィート、約 46平方メートル。2ヶ月経って200メートル近くの道がほぼ整備されました。大変な作業です。

ニューヨーク市がどのように予算を取れたのか。美化はよいことですが、納税者としてはいくらで石畳復元が出来るのか、知りたいところであります。

Friday, July 17, 2009

今日の一言@ニューヨーク: New York’s last and only beer garden with history




昨晩、ニューヨークに唯一残るといわれる伝統的なビアホールに行きました。クイーンズ区のアストリアにあり、マンハッタンから地下鉄で10分ほどのところにありました。ある日米関係者の会の恒例の夏のパーティーで、私は今年が初めてのビアホール体験でした。

写真左:はい、私はベルギーのヒューガルデン・ホワイト(手前)で夏らしく軽いビール。

ビールの種類はチェコやドイツ系ビールもいくつかあり、普通のバーでは飲めないドラフト種類を試せるのも楽しかったです。そして普段はあまり話が出来ないメンバーとの交流も、ビールで盛り上がりました。おつまみはチェコ風パテやポテトパンケーキ。(写真右:既に食べ散らかしていますが)

このビアホールはボヘミアンホールといい、チェコ移民がコミュニティ協会として建てたビルの中庭にあります。1910年に交流目的ホールが作られ、禁酒法廃止(1933年)と共にビアホールとしてオープンしたのだそうです。19世紀半ばからドイツや中欧からの移民が増え、20世紀半ばにはニューヨークには800以上のビアホールがあったといいます。今ではその当時からのものは、このボヘミアンホールのみとなりました。

200年ちょっととはいえ、歴史があちこちに感じられるのがニューヨークのいいところです。

Monday, July 6, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Partial view was better than nothing.


今週末は独立記念日休暇。記念日が土曜日だったので、金曜日は振り替え休暇で多くの会社、証券市場などはお休みでした。私も友人のニュージャージーの家に金曜日からお邪魔して、土曜日のバーベキューの材料などのショッピングをお手伝いをし、今日、日曜日のお昼に戻りました。お天気に恵まれ、すがすがしい週末でした。

バーベキューですが、写真を撮らなかったのは理由があります。9人分のハンバーガー、チキンなどを用意し、いざ、グリルに点火、と思ったらなんとグリルに火がつかないのです。家からガスチューブをベランダの下に配線し、グリルに接続してあり、スイッチをひねれば火がつくはず、なのですが。。。全く点火しない、え、どうして? 

予行練習を今年はやっていないオーナーの友人は、慌てず、焦らず、「仕方ないからキッチンのオーブンで焼きましょう」ということに。ゲストの8人は、何故グリルがつかないのか理由を推測して一時は盛り上がりました。

理由の推測としては、1)冬の間にグリルが壊れた、2)冬の間に配線になにか問題があった、という通常のものですが、珍答がありました。バーベキューをよくするというアメリカ人Mさんが、「1年以上もガス線にガスを通さないと、そこに子虫が入り込んで蜘蛛の巣ができて、チューブを封鎖している可能性がある」というものです。ほ~、なるほど!とみんな妙に納得。

夜は数名で丘の上に歩いいって、遠くに見えるMacy’s Fireworksを部分的ですが見ることに成功しました。(写真) 全くみないよりはまし、という程度ではありました。今年はイーストリバー側ではなく、ハドソン川沿いに独立記念日のマンハッタンでの花火(Macy’s Fireworks)は移動となり、ニュージャージーからも見ることが可能となったわけです。(はい、デパートのメーシーズがスポンサーをしているものです。)

Wednesday, July 1, 2009

今日の一言@ニューヨーク:  My favorite things in the beginning of summer




雨も多く、涼しい日が続いた6月もいよいよ終わりに近づき、今週は30度を超す天気となっています。もう今週末はJuly Forth、独立記念日です。そして本格的な夏の始まりです。

夏といえばビーチ!という人もいますが、私はあまり好きではなく、直射日光を避けて静かな山と湖のあたりでゆっくりがいいなあ、というタイプです。そうゆうところに別荘を持っている友人、今年も誘ってくれるかなあ。お誘いを待っている間、私はずっとマンハッタンで夏らしい楽しみを探しています。

たとえば、夕暮れ時のお散歩。チェルシーの西側に最近、ハイライン(High Line)という昔の鉄道高架線を散歩道としたプロムナード公園がオープンしたので、早速行ってみました。線路わきに自然に咲く野花のように造園され、ベンチもあちこちにあってちょっとしたお洒落な散歩道です。14丁目のすぐ下から20丁目までのかつての高架線が蘇り、総工費は1億5200万ドルと報道されました。さらに30丁目まで延長する企画があるそうですが、さらなる投資にはまだしばらく時間がかかるようです。(写真右と中央)
「ハイライン公園友の会」に詳細あり(http://www.thehighline.org/)

そして、夏の街角にお目見えするアイスクリーム屋のトラック。既に5月くらいからあちこちに登場していますが、今週はお客さんも列を作るところも増え、ニューヨークの夏の風物です。(写真右) このアイスクリームトラック、定位置につくまで音楽を鳴らして走ってきます。ミスターソフティー(Mr Softee)ブランドがほとんどで、このフランチャイザーのトラックはみんな同じMr Softee Jingleという音楽を流しています。60年代に広告会社が作った曲だそうで、昔なつかしいメロディーという意見と耳について近所迷惑という意見があって、後者が最近は多くなったようで音量が落とされています。
この曲、確かに耳について一日離れないような曲です。ご関心のある方はユーチューブで。
http://www.youtube.com/watch?v=pJ2wA1yLsho

コーンシロップと糖分、脂肪の塊のアイスクリーム。Fat Free Frozen Yogurtもあるとはいっても、やはりトロッと甘い誘惑には勝てません。

Sunday, June 28, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Was he the King of Pop, or Wacho Jacko?

マイケル・ジャクソンの急死に伴い、この数日はテレビの特集番組が続いています。ポップの王者であったのか、奇行の目立つ変人だったのか、両方だったのか、50歳になったばかりのスターの死はさまざまな話題を提供しています。

私はジャクソン・ファイブ時代のマイケル・ジャクソンはよく知りません。ABCという曲に聞き覚えたあるという程度です。ディスコ全盛の1980年前後、アルバムOff the Wall の発表からThrillerへというころのマイケルの曲は、私の青春時代と重なります。特にファンではありませんでしたが、80年代のマイケルの歌と踊りは脳裏に焼きつきました。いまでもDon't Stop 'til You Get EnoughやRock with you、そしてBillie Jean, Thriller, Beat it が流れるともう思わず踊りだしてしまいそう!になります。

あの頃は溌剌として、スマイルが魅力的な黒人の青年だったのに。。。Thrillerのころから、整形手術で鼻の形が変わり、90年代にはいってあれよあれよという間に白人マイケルに変身でした。何故だったのでしょうか。異様な変身でした。

そしていくつかのスキャンダルがあり、アルバム売上もこのところは低迷し、奇行が目立つようになりました。コメディアンの誰かがWacho Jacko(口語で変人や狂人に使う形容詞wackyをもじってWacho、ジャクソンの冒頭のJackをJackoとして韻をふんだもの)と呼びはじめ、笑い種にもされました。

しかし独自の曲つくりと映像と組み合わせた音楽ビデオで人気を博し、すばらしい踊りの振り付けとMoon Walkのような超人的なステップを考案しました。ある意味では天才とxxは紙一重だったのでしょうか。私は彼をKing of Popと呼んであげたいです。

Friday, June 19, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Do you know what you’re eating?




ドキュメンタリー映画Food Inc.を観ました。アメリカ消費者は、ほんの数社の大企業によって支配されている食品産業の姿を直視すべきである、と警告を発する映画です。大産業化する中で「工場化」する養鶏、畜産と大豆やとうもろこし生産。その現場でいじめられる農家、環境破壊、また一方で食品は安全性を失い、消費者はファーストフードで生活慣習病の糖尿病患者がうなぎのぼり、と抱える問題の深さと広がりを指摘し、様々なケースを紹介していきます。

なんといっても、養鶏の場がひどかったです。ほとんどの養鶏農家は大手2社に支配されており、ひよこの入荷から餌、建物仕様、運営の仕方から出荷まですべてそれら企業からのマニュアルに合意して契約です。真っ暗な建物のなかで、動きもとれない状態で鶏は45日で出荷状態になり、恐るべき早いサイクルで利益を上げるわけです。こんな状態では病気の鳥がいても、農家は黙って処理するしかないわけです。養鶏農家はどこもカメラの入るのを断りますが、ひとりだけ、養鶏農家の女性主人がこの実態を見せたいとカメラを招きいれます。(その後、すぐにこの農家は契約破棄となりました。)

アメリカの大豆はある1社が農家に流通する90%強の種を支配しており、これが遺伝子組み換え大豆なのであります。つまり、この国ではほぼ全員が、遺伝子組み換え大豆とその加工品を食べています。たぶん、とうもろこしも危ないだろうなあ、と思います。大豆もとうもろこしも、姿を変えてあらゆる食品に入っているわけですから、もう絶望的です。私のビールのおつまみ、枝豆冷凍パックも米国産でなく、日本から空輸パックにしなくちゃ。

この映画では、食品と健康問題について数年前に出版されたFast Food Nationや、The Omnivore's Dilemma, In Defense of Food: An Eater's Manifestoという本の作家にもインタビューをし、これらの本の中での指摘する問題にもカメラを向けます。

映画にはひとつのメッセージがありました。We can change the world. つまり、資本主義のアメリカでは消費者ニーズが一番のキーとなる、消費者がオーガニックを求め、季節の野菜を求め、少量でも質を求め、という意識になれば、食も変わる、ということです。すでに大型スーパーのウオルマートでは、取り組みを始めたことも紹介していました。

独立系映画ばかりを上映する映画館なので300席程度と小さい劇場とはいうものの、平日の夜だというのに満席でした。ニューヨーカーの関心の高さにちょっと嬉しい気分となりました。でも、おいおい、ちょっとそこのおにいさん、ポップコーンなんて食べてないで、オーガニックのニンジンでもかじったほうがいいよ、なんて思わされる映画でした。

[写真: ファーマーズマーケットで地元の有機野菜と果物を私は買うようにしています]

Tuesday, June 16, 2009

今日の一言@ニューヨーク: A small island, just south of Manhattan, has a long, rich history.




雨模様が続いた先週でしたが、この週末はお天気も回復してきたのでまた自転車の出動となりました。フェリーに乗って小さな島、ガバナーズアイランド(Governors Island)に行ってみました。マンハッタン南端から1キロも離れておらず、無料フェリーに乗って5分。30分おきにでているフェリーは自転車搭載もOK。(写真左) ブルックリンからも無料フェリーがでており、友人らはブルックリン発に乗って島で合流しました。

5月末から9月末までの夏季だけ、この島はオープンとなり、いろんなイベントが企画されています。この週末は素人のアート展示やアート製作参加などのイベントがありました。写真中央は白い傘のアート(?)。背景に見えるビルはマンハッタン南端のオフィス街です。

この島の周囲は5~6キロ程度でしょうか、自転車で景色をみながらゆっくり一周が20分くらいです。島は1996年までは沿岸警備隊(Coast Guard)の基地でしたが、その前は1965年までは米国陸軍(Army)の所有地でした。そしてそのずっと前、17世紀からこの島はマンハッタン防衛のための戦略的拠点として要塞が作られた軍事基地であったのでした。

現在、島の約3分の一は国立公園指定となっており、管理をしているのは国立公園サービス(National Park Service)です。パークレンジャーの若いおにいさんがツアーをしてくれるというので参加したところ、古い歴史をいろいろと学ぶことができました。もちろん、17世紀以前には先住民のインディアンがこの島にも住んでおり、栗の木が沢山あったため、Pagganck(Nut Island)と呼んでいたそうです。古代からのインディアンの食べたオイスターの貝塚(Oyster Midden)がこの島にもあるのだそうです。(写真右は展示説明用) 

1624年にはオランダ西インド会社がこの島に拠点を作り、ここからマンハッタンへの入植を開始します。1637年にはインディアンからこの島を買収、そしてオランダ語でNoten Eylantと呼んだそうです。イギリスがマンハッタン地域を征服することになって、1664年にはこの島もイギリス領となって現在の英語名が島の名前となったということです。

もうひとつ、1909年、ウイルバー・ライト(ライト兄弟のひとり)はこの島から試作飛行機に乗り、初めて自由の女神を一周したのだそうです。

Thursday, June 11, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Are we looking at the same Moon?

ニューヨークもこの2日ほど雨模様と曇り。月曜日の夜中は雷雨で、ピカッとガラス越しに稲妻、そしてほぼ同時にまるでうちのビルに落ちたのかと思うほどの雷音で、何度も目が覚めました。こうゆうのは久しぶりでした。気温も20度そこそこで過ごしやすい週です。

そんなわけで、この数日は月を見ていませんが、ひとつ気になることがあります。一週間ほど前、とてもきれいな半月で、右側半分が光っていました。ちょうど、中国深センにいるダーリンとスカイプ電話をしていたので、 月光が部屋に入るくらい明るいわ、と現状を説明。時差があるからあちらは次の日の朝ですが、前の日の夜は中国も半月(the waxing gibbous moon:新月から満月にむかう際の半月、上弦の月)だったとか。そこまではよかったのですが、「半月の反対側が光っていたと思う。中国でみる月の形はニューヨークと違う」と言い張るのです。

そんなバカな。北半球では月は同じに見えるはずよ!と言っても、どうも違うと譲らないのです。深センはここより南にあるから、少し違うのかなあ、と同情はしてみたものの、反対側が光るなんてありえないことでしょう。いや~、ずっとひとりで頭がボケたのかなあ、うちのダーリン。

ちなみに、満月からだんだんとかけていく半月(下弦の月)の時はthe waning gibbous moon というそうです。

Saturday, May 30, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Who was the 2009 Spelling Bee winner?

昨晩(5月28日)はついに2時間もテレビを見てしまいました。中学生を対象とした「全米スペルコンテスト」決勝大会(Spelling Bee)が放送されたからです。素人が芸を競うAmerican Idol(アメリカン アイドル)やAmerica’s Got Talent(アメリカの才能発掘)という番組がこちらでは人気ですが、私はどうもこうゆうのは好きではなく、素人がでてくる番組は年に一度のこのスペルコンテストだけを見ることにしています。隠れたヒット番組でもあります。

全米から予選を勝ち抜いた11人の中学生らが、信じられないような単語のスペルをすらすらと答えます。審査員が単語を発音し、競技者は1)その単語の意味と語源、2)用法、3)別の発音の仕方があるか、という3つの質問しかできず、そうしたヒントから綴りを言い当てねばなりません。

例えば、
審査員(発音する):マーセナス (と私には聞こえる)
競技者: マーセナス、それはどうゆう意味ですか
審査員: 文学や芸術などの支援者、パトロンのことを指す
競技者: 語源は?
審査員: ラテン語
競技者: 別の発音がありますか?
審査員: 現在の英語発音はマーセナスのみです

といった具合です。
う~ん、マーセナスってメセナのことじゃないのかなあ、とは連想したのですが、英語の綴りは?? 私に分るわけない! 
はい、正解は maecenas
これは易しいほうです。 isagogeだの conchyliated、 psittacosis なんて一生に一度も使わないような単語を言われても… という世界です。

最終戦には11人、そのうち7人がインド系というのも驚きでした。そして優勝者は、インド系の13歳の女の子でした。
詳細にご関心のある方は、http://www.spellingbee.com/

Friday, May 29, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Cycling is fun, convenient, and good for the environment.




季節がよくなって、埃を被った自転車を掃除しタイヤに空気をいれて、私のマウンテンバイクはこの週末から出動開始です。マンハッタンに住んでいて何故マウンテンバイクか、というと道路にデコボコが多くて、ママチャリではちょっときつい、と思ったからです。しかし、この2年ほどで自転車専用帯(写真左)も増えてきて、多少ですが自転車で移動しやすくなりました。自転車通勤者も18万5千人もいるそうで、年々増加しているそうです。

5月はBike Month NYCということで、ニューヨーク市も肝いりで自転車安全教室や自転車通勤路紹介ツアーなども行い、各地域で自転車ツアーやイベントがあります。私は参加してないですが、6月にはハドソン川沿いの自転車ツアーにチャレンジしてみたいと思っています。

私は自宅で仕事をしているので通勤する必要がなく、自転車を使うのは買い物と週末の運動に、というくらいですが、スーパーやお店の近くに自転車を止めるところがないことに不満を持っていました。しかし、この1年ほどで自転車置き場も少しづつ増え、工夫がされています。まだ数は少ないですが、立派なParkingもできました。(写真中央)

また、2008年にはBike Rackデザインコンテストがあり、アートのような自転車置き場もあちこちにできました。うちのご近所にもメタルのアート系自転車置き場があります。(写真右)

Bike friendly の街を目指すニューヨーク。楽しく、便利、そして環境にもやさしい自転車が市民権を得てくれる日が近いです。

Tuesday, May 26, 2009

今日の一言@ニューヨーク: Is this Memorial Day any different from the one a year earlier?


ニューヨークに戻りました。涼しかった1ヶ月前にはまだ新芽もなかった街頭樹がすっかり緑に覆われ、その数日は気温が30度にも上がって急に夏のような太陽です。ハナミズキ(Dogwood)の白い花が満開です。今週末はメモリアルデー・ウイークエンド。メモリアルデーは戦死したアメリカ人兵士らを悼み、各地でパレードや行事があります。アメリカ人にとっては、バーベキューとビーチの季節のはじまりでもあります。

1年前のメモリアルデーから、アメリカはこれまでとは違った時代に突入したような気がします。一年前には予想もつかなかったレベルの景気の悪化と失業率。影響が少ないといわれたマンハッタンの不動産も最近は2割減以上の値崩れを始めました。身の回りでも友人3人が失業、自営業の友人もこの1年で売上が半分以下、といった暗い話が多くなりました。私も含め、積立年金(個人401K)もどんどん目減り、将来に不安が募ります。

アメリカはイラクとアフガニスタンでまだ戦争を続けており、イラク戦争ではこれまでに4900人以上が死亡、31,000人以上が負傷しています。そして、このメモリアルデー、アメリカではグアンタナモ基地収容所閉鎖についての議論がニュースとなっています。オバマ大統領は収容所閉鎖のための予算案を議会に提出して却下され、チェイニー元副大統領が収容所閉鎖に反対のスピーチを行ったからです。

そして今朝、北朝鮮が核実験をしたというニュース。4月から準備をしていたといわれますが、なにもメモリアルデーに実験しなくても… 内外で山積みの問題、バーベキューが楽しめない雰囲気です。

一方、新型インフルエンザ、こちらでは当然ながらマスクをする人はおらず、街は平常通りにみえます。昨日はニューヨークで二人目の死者がでたことで夜のニュースとなりましたが、冷静でローキーな扱いでした。ニューヨーク日本領事館からは邦人向けに地元インフルエンザ感染統計とともに、予防には手洗いとうがい、マスクをするようにというEメールがしばしば来ます。アメリカにきて誰もマスクをしてない、そして、うがいもしないのを見て、私は昔ビックリしました。やはりマスクは異様にみえるので外出でかけるのは相当な勇気がいります。うがいでホントに予防できるかなあ、と半信半疑ながらも、私はひとまず頻繁にうがいをすることにしました。

Tuesday, May 19, 2009

今日の一言@パリ: The wonderful world of Albert Kahn





2年前、日本でNHK・BS放送の海外ドキュメンタリー「奇跡の映像、蘇る100年前の世界」を見ました。英国BBC放送制作で、フランスの銀行家アルベール・カーンが1908年から30年ごろまで世界各地に写真家を派遣して、映像記録をした膨大な資料を紹介した番組でした。

50カ国以上で記録した写真や動画が今でもカーンの住んだパリ郊外のブーローニュの森の資料館に保存されています。彼は銀行事業で日本との関係も深く、当時の日本の政治家や皇族との交流もあって日本に関心が深く、日本庭園をその広大な敷地に作りました。今ではアルベールカーン美術館(Musse Albert Kahn)として公開されています。海外ドキュメンタリーをみて以来、私はずっと行ってみたいと思っていました。この週末、ついに訪問してみました。

メトロ10番線の最終駅、Boulogne Pont de Saint Cloudで降りてすぐ、ブローニューの森の南西にある美術館では今年8月まで1915年と1928年に2度にわたって記録されたインドの映像を特集展示しています。当時としてはめずらしいカラー写真であったオートクローム(Autochrome)技術を使った映像で、インドの各地の様子を見ることができました。

日本の映像も数多くあるのですが現在は展示していません。しかし、資料室のコンピューターでいくつかの映像と写真を見ることができました。1910~1930年ごろの東京、日光、田沢湖、京都、奈良などの映像のほか、大正天皇の葬儀の様子や昭和天皇のパリ訪問などの映像がありました。当時の東京駅、その周辺の丸の内あたりでしょうか、欧州のような町並みでした。着物をきた男女が忙しそうに歩くなか、ロンドンの警官のような服装のおまわりさんがいるもの不思議な感じでした。空襲でなくなる前の東京、みた事がありませんでした。

またアルベールカーンは当時フランスに駐在されていた北白川宮城久王と房子妃と親しかったようで、資料映像にはおふたりがカーンの別荘でくつろぐ様子や友人らと和やかに歓談する写真などがありました。

日本庭園は地味ですが、楓や桜も数多く、季節によって美しいと思います。今はあやめとつつじがちょうどきれいでした。(写真は庭園で)

アルベールカーン美術館については日本語で書かれたサイトがあります。
http://www.museesdefrance.org/museum/serialize/mon..
NHK、BS放送については次にあります。いつか全編を観たいと思っていますが、DVDがあるといいのですが。。。
http://www9.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/20..

BBCによる放送と出版については英語ですが、次にあります。
http://www.albertkahn.co.uk/museum.html
http://www.albertkahn.co.uk/photos/Portraits/A0386.. (写真のモダンな服装の女性は房子妃)

20世紀前半、世界50カ国以上の記録を集めたこの大富豪は1929年の大不況で資産を失い、死ぬまで家に住まわせてもらうという条件のもとにブーローニュの敷地と家財をパリ郊外の自冶体に買い上げてもらいました。それがこの美術館のもとになったわけです。そして1940年、生涯独身であったカーンは80歳の生涯を静かに終えたのだそうです。