Friday, September 19, 2008

今日の一言@ニューヨーク:A paradise for bookworms




読書の秋、とは誰が言い出したことなんでしょう。ニューヨークに来てからは季節と関係ないことばかり。冬でも暖房ガンガンで室内は半そで、食欲は通年。活字離れが叫ばれるこのごろですがニューヨーカーは読書好き。経営がむづかしくなっている本屋さんは当地でも同じではありますが、大手書店チェーンBarns & Nobleも健在で、著者によるサイン会や朗読会などもあちこちで開催されています。

しかしなんといっても本好きの人が集まるのは、Strandという古本+格安本の本屋さん。出版社が配布する批評用コピーの入手ルートがあるようで、新刊でも定価の2割、3割引きというケースもあります。(写真左) 最近は日本の小説やエッセーの翻訳本も増えてきて、村上春樹や吉本ばななの作品も目にします。(中央)地下と1階にぎっしりと並んだ本の数、距離にして18マイル(約29キロメートル)。棚はジャンル別、そして著者名のアルファベット順になっています。細く、暗い通路を廻って本を探すのは、なかなか面白い経験です。本好きの人には極楽の境地でありましょう。

Strandには年に数回行って、ごっそりと読みたい本を買ってきます。今日は、しばらく前に読んだLovely Bonesをご紹介します。郊外に住む平凡なティーンエージャーのスジーが、ある日忽然と姿を消します。実は近所の変質者に誘拐されて殺されてしまっているのですが、話はしばらく経ってから、死後のスジーが語り手となって始まります。彼女がいなくなって悲しみと期待に揺れる両親、兄弟を、姿が見えないですがすぐそばで、時には愛おしく、時には心配し、時にはいらいらしながら見つめます。1年以上経っても彼女の遺体は見つからず、家族の焦燥感は高まり、スジーは自分の居場所をなんとか家族に知らせたい、という風にスリルが増して展開します。

この本は数年前にベストセラーとなり、映画化が進んでいます。