Sunday, May 10, 2009

今日の一言@テルアビブ: We don’t serve alcohol here.




イスラエルに来ても楽しみなのは食事です。中近東と欧州の様々な料理があり、フュージョンでも美味しいレストランも沢山あります。でも私が一番好きなのは典型的な中近東料理のHummus(ひよこ豆をオリーブオイルなどで練って混ぜたもの)、野菜を沢山つかった各種サラダ、ピクルスといった小皿前菜です。ピタブレッド(Pita)と一緒にいただくと、これだけでお腹一杯になります。あるレストランでは通常のピタではなく、直径が40センチくらいもあるホームメードで、ピザのドウのようにモチモチ、焼きたてで表面はサクサク感もありました。(写真左)

一方、もっとカジュアルな食堂のHummusを食べた時には、煮込んで柔らかく温かいひよこ豆が載せてあり、非常に美味でした。ファラフェル(Falafel:ひよこ豆にパセリや香辛料などを混ぜてボール状にして揚げたもの)、トマトとキュウリのサラダを注文し、ピタと一緒に食べました。(写真中央) ここのピタは通常の15センチ直径くらいの丸パン状で、これもムチムチ感があり満足のいく質でした。

簡単なようですが、こうしたお味、ニューヨークには似て非なるものしか見つかりません。やはり本場は違うといつも感心します。当然、中近東料理はアラブ系イスラエル人がやっているレストランが美味しいです。複雑なお国事情がありますが、テルアビブの一部にはジャファ(Jaffa)という町があり、そこにはイスラム教徒とキリスト教徒のパレスチナ系イスラエル人が多く住んでいます。東京都の中の「下町」といった区域とでも言えばいいのでしょうか、そんな感じです。ジャファは港町として発展した歴史があり、今でも古い建物が並ぶ中近東の町の雰囲気を持っています。そんな「下町」でヘチマのたわしを見つけました。(写真右)体を洗うのに使うんだそうです。これって、昔、日本でも使ってましたよね。

イスラム教徒の経営しているレストランなので当然のことながらアルコールはありません。ビールが飲みたいなあ、と思ってもガマン。しかしガマンの甲斐があるお食事です。食後のカルダモン入りの強烈に濃いコーヒーもなかなかのお味です。

義弟は人権問題専門NPOの弁護士で、アラブ系イスラエル人の人権保護や、不条理な軍事占領下での人権問題などを扱って最高裁で戦っています。長く複雑な歴史と延々とつづく派閥間の意見の違い、共存と平和への道はまだまだ遠いようです。みんなが幸せになるのって、本当にむづかしいことだなあ、と思いながら私は無邪気にピタを食べるのでありました。