Saturday, May 9, 2009

今日の一言@テルアビブ: It’s a nice spring season in the Holy Land.



6日にイスラエル、テルアビブに到着しました。私は1992年に初めてこの地を旅行してから、7回くらい来ているでしょうか。もともとダーリンの家族がイスラエルにいたからです。1930年代、ナチス台頭の直前、ポーランド、ロシアやドイツからパレスチナに入植したご先祖は、一部がそのままイスラエルに定住、そして一部がそこからアメリカ、フランスなどに移民しました。

そんなわけで私はイスラエルという国に、旅行者として、家族、友人として何度か来る機会を得たわけです。観光名所の多いエルサレム、死海などは既に行ってしまったので、今回はテルアビブとハイファのみです。春なのでからっと晴れて、気温が朝夕は16度くらい、昼間でも27度くらいで過ごしやすい季節です。夜は軽いジャケット、カーデガンが必要なくらいです。

昨日はひとりでテルアビブ美術館に行ってきました。(左:美術館正面) 隣に新しいオペラハウスがあり、文化施設やギャラリーなどのある地区にあります。この美術館はニューヨークで言えばMoMa(近代美術館)のコンセプトに近く、大きく別けて3つのカテゴリーがありました。イスラエル人芸術家の作品、世界の現代芸術作品、そして19~20世紀の欧州の絵画の3つです。この最後のカテゴリーは「ブルメンタール・ミツネ・コレクション」というもので、この夫妻の絵画コレクションの寄贈品です。

フェリシア・ブルメンタール(1908~1991年)はポーランド出身ピアニストですが、夫のマルクス・ミツネとともに欧州から1938年にブラジルに逃れます。20年以上をブラジルで過ごし、ミツネはビジネスで成功、ブルメンタールも南米やアメリカでピアニストとしてのキャリアを形成したようです。1950年代から欧州にしばしば戻り、62年からイタリアとフランスに生活の場を移しました。いつから絵画コレクションを始めたのかわかりませんでしたが、クリムトやカンダスキーをはじめ20世紀前半の欧州絵画(フォービズム、ドイツ表現派、キュービズム、超現実主義など)が数百点も展示されていました。

そして藤田嗣治の作品もありました。しかも、ブルメンタール自身の肖像画で1957年の作品でした。(写真右は美術館ブティックで購入した絵葉書) そのスケッチ画も展示されていました。肖像画を依頼されて画いたのでしょうから、きっと藤田ともフランスで交流があったのでしょう。ブルメンタールの肌にも、藤田の独特の乳白色が使われていました。
なんだか不思議な今日の発見でした。