Tuesday, March 11, 2008
今日の一言@ニューヨーク: Slow life in Little Italy
2週間に一度、私はリトル・イタリーにあるイタリア食材店Di Palo’sに買出しに行きます。この地域は、かつてはイタリア系移民が軒並みパスタ、肉・食材、お菓子などのお店を出してましたが、この20年ほどで観光客向けのイタリアレストランだけになってしまいました。唯一、Grandストリートに食材店2軒、パスタ専門店1軒が残っています。この一角のまわりは、拡大するChinatownに完全に囲まれてしまいました。
私は今日は、5種類のチーズ、カチトリ(ポークソーセージ)、オリーブを買いました。ここのモッツレラチーズとリコッタは自家製で、新鮮。本場イタリアで食したものにひけをとりません。
Di Palo’sは1910年にイタリア南部からきたデパロさんが開店し、今では3代目のふたり兄弟、ルーとサル、妹のマリアの3人が主力で切り盛りしています。彼らのお母さんが85歳くらいですが、時々店にでてきます。彼女の得意技は、暗算。電卓なしで10件、20件という品の値段をちょいちょいっと暗算です。レジで確認をするのですが、これが間違わないのです。
午前11時くらいから午後ずっとは大変込み合い、順番チケットもって30分以上待たされることも普通。ひとりひとりのお客さんの注文をきいて、生ハムをスライスし、チーズを切り、オリーブやお惣菜をパックする、という全てのプロセスがスロー。しかも、味見までさせてくれて、会話を楽しんだり、とにかくサービスは昔の姿のまま。お客さんの中にはひとりで30分以上もあれこれと注文、味見、会話、というサイクルが延々と続くこともよくあります。
私はマリアにあたる日が一番好きです。彼女はさっさと手際よく、しかも丁寧。サルにあたると、もう大変。会話が長く、違うお客さんにも話かけ、電話まで途中でとっちゃって、私の注文を忘れて違ったものをもってきたり。愛嬌がありますが、いらいらしたりも。 ルーはこの中間で長男らしく、とても親分肌。彼らももう40代後半でしょうか。次の世代の姿が見えないのは、ちょっと、気がかりです。