ニューヨーク州スピッツアー知事が売春組織と関係していた、というニュースで昨日からこちらは大騒ぎです。辞任は時間の問題といわれており、たぶん今日明日には本人の会見があるでしょう。ニュースの見出しには、Fall from graceという表現が多用されています-神の恩寵を失う、といったもともとの意味ですが、「時代の寵児、スキャンダルで失脚」といったところでしょうか。
スピッツアー知事は州の司法長官を経て、昨年知事にになったばかり。悪を追求する正義の味方のようなクリーンなイメージで人気がありましたが、一方ではウオールストリートを敵に回すような裁判にも積極的でした。売春組織を法的に処することにも熱心だった知事は、口ではきれいごとを言いながら裏では自分がお客だった、ということが暴露されてしまったわけです。これでは身も蓋もないですね。
この事件のきっかけはFBIがエンペラーズクラブという高級売春組織の捜査をしていて、マネーロンダリングを調査の中で、知事の口座から同組織に流れているお金が浮上してきた、とか。知事の政敵が掘り起こしたスキャンダルではなかったようです。
この事件、知事の支持者の間でも大きなショックが走っています。悲惨なのは、ご家族ですよね。奥様と3人の十代のお嬢さん。学校行きたくなくなりますよえ~。 昔、「私はこれで会社を辞めました」、という下品な広告がありましたが、本当に、スピッツアーさん、これで知事を辞めることなりそうですね。
知事が辞任すれば、副知事のポジションにあったハーレム出身の元議員。この人は人望も厚く、知事とは正反対の性格のようですが、彼が知事になればニューヨークでは黒人初(しかも目が不自由)の州知事誕生となるそうです。