Sunday, May 9, 2010
今日の一言@香港: What would Antonio Stradivari have said if he’d seen this concert?
8日土曜日は、香港中楽団(HK Chinese Orchestra)によるコンサートを行きました。「中楽団」というだけあって、このオーケストラはすべて中国楽器を使って中国音楽を演奏します。団員は70名くらいで、楽器と配置構成は、次のような感じです。
*二胡、高胡、中胡(バイオリンやビオラの位置)
*革胡(チェロの位置)
*低音革胡(コントラバスの位置)
*曲笛、高竿、新笛など(フルートやホルンなどの位置)
*さらに、太鼓やゴングなどパーカッションのほか、揚琴、琴(ハープの位置)やマリンバ、琵琶など
全部中国楽器でオーケストラ構成をしているのを見たのは初めてです。
今回のコンサートは、「上海之春」という特別公演で、プログラムの目玉は、諏訪内晶子さんのバイオリンによる「梁山伯興祝英台」(The Butterfly Lovers)の演奏でした。このプログラムは、香港のあと、15日には上海世界博コンサートとなります。
諏訪内さんの演奏は、素晴らしいものでした。むづかしい曲、極めて中国的メロディーを大胆に聞かせてくれました。The Butterfly Loversは、バイオリン協奏曲として作曲されたものではありますが、バイオリンが鳴き、こぶしっていうんでしょうか、中国独特のメロディーです。西洋楽器でもここまでの音が出るのだなあ、と感動でした。そのバイオリンはストラディバリウス
、1714年製ドルフィン(Dolphin)と呼ばれる名器です。かつて、バイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツ (Jascha Heifetz)が所有したこともあるものだそうです。
ストラディバリがこの演奏を聴いたら、何と驚いたことでしょう、なんて不思議な気分でバイオリンの音に酔いしれました。