Wednesday, April 21, 2010

今日の一言@東京: An exciting exchange of brilliant minds took place 100 years ago.




東京滞在のほぼ2週間、雪が降るわ、冷たい雨に打たれるわ、と寒い春でした。離日前、晴れた今日、「渋沢資料館」(渋沢栄一記念財団:写真左)で開催中の「渋沢栄一とアルベール・カーン」展示(5月5日まで)を見に行きました。資料館は、北区飛鳥山公園の中にあります。飛鳥山公園は、大輪の白、ピンク、濃いピンクの八重桜がちょうど満開できれいでした。

昨年春に、パリ郊外のアルベール・カーン美術館(Musse Albert Kahn)に行きました。カーンは、フランスの銀行家でしたが、1908年から30年ごろまで世界各地に写真家を派遣して、膨大な映像記録を残した人です。以前から非常に関心のある分野であったので、そのカーン氏と渋沢氏には親交があったということをテーマにした展示はぜひみようと思ったわけです。

「渋沢資料館」では、カーンが派遣した写真家による写真と映像記録を通して、この大物の日仏実業家の生きた時代とふたりの交流を展示しています。ふたりが交わした英文書簡も数点見ることができました。渋沢サイン(漢字)の書簡、英語がうまい!(有能な秘書が書いたのかなあ?)

一方、カーン美術館で垣間見た1909年と1926年ごろの東京・丸の内(アムステルダムとデンハーグの風景の一部のようでした)や銀座の町並みの映像がもっと見られるかと期待して行ったのですが、写真と映像の展示内容は少なくてがっかりでした。しかし、私は渋沢栄一の生涯について無知であったので、じっくりと渋沢の常設展示内容パネルを読むことができたことは、今回の収穫でありました。スケールが大きく、視野が広く、世界を舞台にビジョンを持った実業家が19世紀後半から20世紀に活躍していたのですね。資料館のある飛鳥山は、渋沢の別宅でした。東京空襲で焼けず、西洋館「青淵文庫」(写真中央)と洋風茶屋「晩香蘆」が残っており、戦前の広大な庭園の様子がうかがえます。

王子のあたりに行ったこともなく、私にとってはどうやって行くのかも冒険でした。行きは京浜東北線で王子駅から公園を抜け、帰りは飛鳥山から都電にのって大塚駅まででて山手線のルートにしました。
東京最後の今日は、私の東京再発見の一日でした。