Monday, September 5, 2011
今日の一言@パリ: Lovely small museums where artists once lived
8月下旬からパリに来ています。すでにパリは過ごしやく、秋の晴天のような日が続いています。室内にいるのがもったいない、そんな日には2時間もあれば全部みられるプチ美術館を巡るのも楽しいものです。
パリには、かつて画家が住んでいた家がそのまま国またはパリ市に寄贈されて、美術館となっているところがいくつかあります。有名なのはロダン美術館ですが、今回は、もっと小粒な美術館、グスタフ・モロー(Gustav Moreau)美術館に行って見ました。特にモローの絵が好きというわけではありません。ギリシア神話や聖書に基づく幻想的な作風を持つモロー、実はどちらかというと私の趣味ではありません。むしろ、お宅拝見!といった軽いノリで出かけてみました。
モローは生涯独身で、60歳くらいから自宅とアトリエを改造し、将来的に美術館として開放することを計画しました。これはフランスの芸術家では初めてことでした。1897年、モローは遺言において自宅・アトリエすべてをフランス国家に寄贈する形で、美術館の開設することを明記しました。しかし、フランスの一部ではこうした前例を作ると他の芸術家が続くことになったらどうするかという懸念する声が挙がり、数年にわたって遺言の法的執行人が交渉を続けて、1903年に美術館開設の運びとなったそうです。
モローの自宅はパリ9区の整然とした住宅地にある4階建ての一軒家で、2階までが住居として使っており、3階と4階は自然光が降り注ぐアトリエとなっています。そこは今では数多くの作品が展示されるギャラリーとなっています。スケッチから大作まで、モローの幅広い作品を見ることができ、モローの好んだ装飾品や食器もそのまま展示されており、ゆっくりと解説を読みながら隅から隅までみて2時間弱でした。