Monday, July 5, 2010

今日の一言@深セン: What’s the fuss about this movie?





アカデミー賞ドキュメンタリー部門賞を獲得したThe Cove、やっと日本の映画館で封切りとなったとニュースを見ました。なんで封切までに時間がかかったのか、海外から傍観すると???、疑問です。保守系団体が「反日だ」とか映画館に抗議をしたり、取材された町が上映に異議を唱えたり、という話を読みました。

しかし、日本で日本人だけが見られない環境を作っても、もう手遅れ。「イルカに残酷な日本」というイメージがあちこちでできちゃってから、日本の中で騒いだって、もう完全にアウトです。

中国の深センの海賊版DVDショップでさえ、すでにアカデミー賞発表後にすぐに売られていました。私は7元(100円くらい)で買って、見たんですが、大騒ぎするような内容ではりません。取材に正々堂々と持論をきちんと説明しなかった町と漁業関係者が、すごく悪いことをしているように描かれてしまったのは、仕方ないことです。きちんと英語で説明、反論すれば、ここまでセンセーショナルに、面白おかしく描くネタにはならなかったでしょうに。相手の通訳だけを通して描かれるので、これは仕方ない結果です。

むしろ、私が映画の見せ所だと思ったのは、昔、フリッパーの調教師だったというオバリー氏が、贖罪の念にかられているような、イルカを一頭でも救いたいという恩返しをしているのかと思わせるような、そんな切ない表情と彼の想いでした。

世界の大きな変化の中で、うまく自国をPRしないとどんどん変な国になってしまいます。フカヒレを大量消費する中国でさえ、フカヒレを食べないキャンペーンを堂々と支持し、海外アピールに余念がありません。日本はもう鎖国時代には戻れません。一部保守系団体の人も、目を開いて、今の世界を見つめて欲しいものです。