Tuesday, August 20, 2013

今日の一言@ドルドーニュ:Once upon a time…more than 15,000 years ago.

中学生の教科書に、ラスコー壁画があった記憶があります。今回の旅行では、2日間は先史の洞窟壁画を巡ってみることにしました。Les Eyziesという町は、クロマニヨン人の骨が発掘された場所で、そこから25キロの範囲の数多くの洞窟では石器時代の壁画や彫刻が発見され、クロマニヨン人の人骨も見つかっています。

ラスコーはすでに1968年に一般公開が禁止されて、現在はその一部をコピー再現した人造洞窟、ラスコーIIが公開されています。ラスコーIIは6年をかけて作られたもので、ラスコーの壁画の動物の大きさと絵画としての質を忠実にコピーしてあるので、それなりに観る価値がありました。

しかし、やはり本物の洞窟の中に入って、手元の懐中電灯の光で本物の古代壁画を見る体験には及びません。ラスコー壁画の動物の数と雄大さとは競えないですが、バイソンや馬などの活き活きとした壁画が見られるフォンドゴーム(Font-de-Gaume)洞窟は迫力がありました。一日80人だけに公開しています。2013年夏現在、予約制度はなくなり、朝早く6時くらいから行列が始まります。私たちは朝7時半に行くと、すでに10グループほどが並んでおり、9時半からのチケット売出しを待ちました。我々の後ろ、5グループ目くらいにもう売れ切れ。11時の英語ガイドツアーのチケットは既になく、10時からのフランス語での見学に参加しました。黒、赤、茶色の3色がはっきりと残るバイソンの絵は、壁岩の凹凸をうまく利用して立体感もでていました。

午後からはそこから5キロくらい離れたコンバレル(Grotte des Combarelles
)洞窟にも行きました。ここでは壁画ではなく、岩に動物や幾何学模様の彫り物を見る事ができます。馬やイノシシ、バイソンなどをガイドさんが照明によって壁に浮かび上げます。壁の凹凸を利用して、そこに刻んだ線が中心で、ラスコーのようなダイナミックな壁画ではありませんが、人類初の彫刻の試みとも言われているそうです。

ロウソクもない太古、何故、洞穴の奥まで突き進んで、壁に絵や彫り物をしたのか。宗教的な意味があったという推論もあり、謎は深まるばかりです。