2011年9月11日、ワールド・トレード・センター跡地に建設されたメモリアル(The National September 11 Memorial)が公開されました。公開後しばらくは混んでいて、訪問するためには一週間以上まえからの予約が必要となっていましたので、なかなか行く機会がなく、私は9月末から香港に旅立ちました。そして、この春、またニューヨークに戻ってきたので、この機会に行って来ました。 今でも、訪問日と時間の指定をして入場券を取得することが必要です。入場は無料です。 オンラインで全て手続きが出来ますが、名前やEメール、連絡先などの情報を入れる必要があります。手続きが済むとPDFで入場券をEメールしてくるので、それを印刷して持参しなければなりません。
4月末、晴れた青い空が広がった日、いよいよ私も行ってみました。当日の朝にオンラインで入場券が取れ、午後4時すぎに向かいました。パーク入り口では、空港並みに非常に警備が厳しかったです。
警備ブースを出ると、太陽がさんさんと降り注ぐ広場にでました。メモリアルは、ワールド・トレード・センターの南タワー、北タワーの跡地が、そのまま大きな正方形の深い、深い穴となっており、その穴に向かって、大量の水が吸い込まれるように落ちていく、という建造物です。各タワーの正方形の壁は地上1メートルくらいで、その壁には犠牲者の名前が刻み込まれています。
メモリアル=追悼のための記念物。 そこは、今なお、深い悲しみが永遠に落ちる水のように流れていました。深い穴に流れて落ちる水を見つめる人々の顔は、それぞれが、なにかを失ったときの戸惑いの影を見せていました。笑い声、明るい声はとても出せない雰囲気に包まれ、特別な悲しい空間でした。 ここにくれば、あの日が、あの悲劇と混乱が誰の頭にも蘇る、そんなところです。
唯一、水しぶきに太陽が反射して、大きく口を開けた穴のあちこちに虹が形成されていたのが、どこか、悲しみの中にも希望の光りがある、ということを無言で伝えようとしているようでもありました。
メモリアルのサイト http://www.911memorial.org/
Friday, May 18, 2012
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